帯状疱疹(帯状疱疹後神経痛)

皮膚にピリピリと痛みが生じる
帯状疱疹

皮膚にピリピリと痛みが生じる帯状疱疹帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚の病気です。
多くの人が子供の頃に経験する水ぼうそうと同じウイルスが原因で、成人になってからこのウイルス活動を再開すると帯状疱疹を発症します。

帯状疱疹の原因と症状

帯状疱疹は、免疫力の低下により体内に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで引き起こされます。幼少期に経験した水疱瘡から長い年月を経て発症することが多いです。帯状疱疹が発症すると、体内に抗体が生成されますが、稀に再発することもあります。

急性期

原因

早期の診断と治療が重要で、抗ウイルス剤の投与などが行われます。強い痛みが続く場合は、神経ブロックが必要になることもあります。

症状

神経に沿って湿疹が帯状に出現します。この痛みは、免疫力が低下した際にウイルスが活性化し、神経を傷つけることによって引き起こされます。

帯状疱疹後神経痛

原因

帯状疱疹ウイルスにより傷んだ神経が引き金となり発症します。神経が正常な役割を果たせず、脳に誤った情報を送ることで、異常な感覚や痛みが生じます。

症状

帯状疱疹発症から数ヶ月が経過しても、痛みが残る状態です。湿疹は治っても、持続する痛みに悩まされることがあります。

帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の
治療法

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるため、治療の基本は抗ウイルス薬の内服治療となります。

抗ウイルス薬

抗ウイルス薬帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えるために用いられます。一般的には経口抗ウイルス薬が使用されます。
主な抗ウイルス薬にはゾビラックス、バルトレックス、ファムビル、アメナリーフなどがあります。服用量、回数、期間は医師の指示に従い、症状が改善しても自己判断で中止しないようにしましょう。

外用薬

発疹部位の炎症を抑える目的で使用されます。外用ステロイドやヘパリンなどの保湿剤を用いて、皮膚を保護し、二次感染を防ぎます。

鎮痛薬

帯状疱疹による痛みを適切に管理します。NSAIDs(非ステロイド消炎鎮痛薬)や末梢神経障害治療薬が用いられることがあります。

神経ブロック

強い痛みがある場合、神経ブロックという治療方法が採用されることがあります。
神経の周囲に局所麻酔を注射する方法で、症状が長期にわたる場合には専門的な技術が必要です。

帯状疱疹の場合に
してはいけないこと

帯状疱疹の発症や症状悪化を防ぐために、以下の行動を避けることが重要です。

免疫低下を招く行為

睡眠不足

十分な睡眠は免疫力を維持するために重要です。睡眠不足は免疫力を低下させ、帯状疱疹のリスクを高めます。

ストレスをため込む

ストレスは免疫力に悪影響を及ぼすことが知られています。ストレスを適切に管理し、リラックスする時間を持つことが大切です。

患部を冷やす

かゆみを和らげるために痛い部位を冷やす行為は避けましょう。冷却は痛みを増幅させ、血行不良を引き起こす可能性があります。
痛い部位を温かいタオルや温水浴で優しく温めるようにしてください。

水ぶくれを潰す

水ぶくれは細菌感染のリスクを高めるため、潰さないようにしましょう。痛い部位を清潔に保ち、適切な状態を作ってください。痛い部位に塗り薬を塗った後、ガーゼで保護しましょう。

痛い部位を触る

痛い部位になるべく触れないようにしてください。触れることで、細菌やウイルスの感染リスクを高める可能性があります。
仮に、触った場合は他人にウイルスをうつさないように十分な手洗いを心がけましょう。水痘・帯状疱疹ウイルスは他人に感染する可能性があるため、特に水ぼうそうの既往がない子供との接触には注意が必要です。