怪我・手術後のリハビリ

一日でも早く日常生活に
復帰するために

整形外科の手術が終了した後、1日でも早い日常生活への復帰を希望されているのであれば、リハビリは切っても切り離せないほど重要です。手術後は筋力低下や、関節が固まる、また周辺の皮膚も固くなることがあり、術前よりも動きが悪くなることも多くあります。手術後は、身体が元の状態に戻ろうとする力が働くため、リハビリをするのに最適の時期と考えられます。手術後にリハビリを行うことで回復を早め、完全な状態に近づけましょう。

怪我・手術後のリハビリの重要性

手術後のリハビリが大切な理由についてさらに詳しくお伝えします。
手術部位や骨折した部位は長期間動かすことができないため、周辺の筋肉が痩せほそりやすく、関節も凝り固まる可能性が高いです。また、骨折など外傷をきっかけとして関節がずれ、痛みを感じる原因にもなります。
手術後のリハビリで、筋肉や関節を元通りに回復させるとともに疼痛緩和にも繋げることを目的としています。標準的なリハビリテーションの期間は発症日から5ヶ月以内とされています。
手術後はゆっくり安静にしたいところですが、日常生活に復帰するためにもできるだけ早期にリハビリを行うことがとても大切です。

症状・疾患別の
主なリハビリについて

リハビリは原因となる症状、疾患別にそれぞれに適したやり方があります。
これからその内容について簡単にご説明いたします。

運動器(骨、筋肉、関節、神経など)

運動器とは、その名の通り動くことに関連した部位である、骨、筋肉、関節、神経を総称した呼び方です。原因となる疾患の代表例として骨折、関節リウマチ、変形性膝関節症、骨粗鬆症、捻挫、腰痛、肩こりなどが挙げられます。
運動器のリハビリは、筋力低下を最小限に食い止め、関節が元通りに動くよう、歩行や階段の上り下りなどの日常生活を満足に送り、職場復帰やスポーツ復帰などに繋げることを目的としています。

脳卒中
(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)

脳卒中とは、脳血管障害の1つであり、脳の血管に何らかの異常をきたすことで脳のいずれかの範囲で血流不足に陥る疾患を指します。代表疾患として、脳に血の塊(血栓)が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破ける脳内出血・くも膜下出血があります。
脳卒中は普段から規則正しい生活を送っていても、ある日突然前触れなく発症することがあり、一度発症したらこれまでの生活が一変してしまうほどの影響力があります。

脳卒中でのリハビリは緊急手術が終わったあとすぐ、いわゆる急性期の状態から始めることが強く推奨されています。とは言え、状態に合わせて簡単なものから開始されますのでご安心ください。
例えばベッド上で座る練習や、手足を言われた通りに動かす練習、関節を回す練習など簡易訓練から始めます。思うように動かないこともありますが、1日でも早く日常生活を取り戻し、社会復帰を目指すならばリハビリは少しずつでも継続することが非常に重要です。

頭部外傷

頭部外傷においての障害は、運動麻痺よりも高次脳機能障害が目立ちます。つまり意識が低下し、呼びかけへの反応が鈍くなったり、気分や感情を上手くコントロールできなくなったり、意欲・注意力が低下したりといった症状が出てきます。
頭部外傷の主な原因として交通事故が最多であり、若者にも多いため社会復帰がとても大きな意味を持ちます。

脊髄損傷

脊髄損傷では。半永続的な重症な障害が残る可能性があります。
損傷した部位にもよりますが、首の上の方の損傷では四肢麻痺、呼吸困難が見られます。首の中間レベルの損傷では四肢麻痺、首の下の方の損傷では対麻痺と呼ばれる足の麻痺が特徴的です。
脊髄損傷では不安定な脊椎を安定状態にする手術が行われる場合があります。
手術後のリハビリでは、合併症予防を期待するリハビリと、運動機能を維持する2種類のリハビリが行われています。

四肢欠損

腕(上肢)

腕の切断は主に事故によって起きます。
腕を切断した後は多くの場合で、義手をつけます。義手の構成は、指部、フック、手部、手首ユニット、肘ユニットとなっており、フックや手部は肩の筋肉で制御します。
リハビリでは全体を上手く動かす訓練や、筋肉のストレッチ、腕の筋肉の補強を目的としています。

足(下肢)

脚の切断では、自動車事故などでの外傷と病気の合併症での切断の2パターンが主な原因となっております。
脚を切断した後は多くの場合、義足を付けます。義足の構成は、つま先部、足部、膝ユニットとなっています。
リハビリでは全体を上手く動かすための訓練、股関節と膝周りのストレッチ、下半身の筋肉を補強することを目的としています。さらに体を支えるために、バランス訓練や持久力訓練も行われます。