- 頚椎・腰椎椎間板ヘルニア治療「経皮的椎間板摘出術(L‘DISQ)」
- L‘DISQ(エルディスク)を用いた経皮的椎間板摘出術は、このような方に適応
- 「L‘DISQ(エルディスク)」のメリット
- 椎間板内治療の比較
- 以下のような方は、本治療の適応外となる場合があります。
- 以下は、治療前後の注意事項およびお願い
- 治療費用
- よくある質問
頚椎・腰椎椎間板ヘルニア治療「経皮的椎間板摘出術(L‘DISQ)」
『体に負担の少ない・切らずに治す日帰り治療』で対応可能です!入院不要!

首痛の原因疾患となる「頚椎椎間板ヘルニア」は、首の骨(頚椎)と頚椎の間にある椎間板の中心部にある髄核が飛び出し、腰痛の原因疾患となる「腰椎椎間板ヘルニア」は、腰椎の骨と骨のあいだにある椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気です。
太ももや足、首から肩・腕にかけてピリピリとした、電気が走るような痛みが特徴です。
これまでは、薬物療法・神経ブロック注射・リハビリなどの保存療法、そして保存療法で十分な効果が得られない場合には入院して全身麻酔下での手術が一般的でした。ただ、手術には4cmほどの皮膚切開が必要であり、椎間板ヘルニアにアプローチする過程で神経を傷つける可能性があります。また、5日ほどの入院も必要です。
大阪みま整形外科&痛みのクリニックで導入している“切らずに治す頚椎・腰椎椎間板ヘルニア治療”では、経皮的椎間板摘出術を「L‘DISQ(エルディスク)」という最新の治療器を使用して実施しております。
皮膚から椎間板の中に向けて直径約2mmの針を刺し、そこに電極を通し、プラズマ電気を流して「髄核」を熱で焼き飛ばすことで神経の圧迫を軽減します。個人差はありますが、痛みなどの症状が1~2ヶ月ほどをかけて改善・消失するとされています。
日帰りで受けられる低侵襲治療であり、神経損傷などの合併症のリスクがほとんどありません。また、皮膚にできるのは針の跡のみで、その後ほとんど目立たなくなります。麻酔は全身麻酔ではなく局所麻酔です。治療時間は30~60分程度です。
他の病院で飲み薬やリハビリといった保存療法を行っているけれど良くならない、「手術ができない」と言われた、仕事などの関係で入院が難しい方は、ぜひ一度ご相談ください。
なお、L‘DISQを用いた頚椎・腰椎椎間板ヘルニアの治療には、保険が適用されます。
L‘DISQ(エルディスク)を用いた経皮的椎間板摘出術は、
このような方に適応
「L‘DISQ」を用いた治療は、繊維輪や後縦靭帯をかぶっていない「膨隆型」「突出型」の腰椎椎間板ヘルニアが良い適応になると言われています。
ただ、繊維輪・後縦靭帯をかぶっている「脱出型」「分離型」のうち、「脱出型」でも良い結果が得られることがあります。
膨隆型 | 突出型 | 脱出型 | 分離型 | |
---|---|---|---|---|
L‘DISQ | ◎ | ◎ | △ | △または× |
通常手術 | △または〇 | △または〇 | 〇 | ◎ |
「L‘DISQ(エルディスク)」の
メリット
- 直径約2mmの針を用いて、皮膚を切らないため傷跡がほとんど残りません。
- 比較的短時間(30~60分)で終えられる治療です。
- 日帰りで受けられる低侵襲治療であるため、早期の社会復帰が期待できます。
- 通常手術と比べ、治療後の痛みが抑えられます。
- 通常手術と比べ、神経損傷、感染などの合併症のリスクが抑えられます。
椎間板内治療の比較
椎間板の中からヘルニアを治療する方法を「椎間板内治療」と言います。
椎間板内治療には、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)や経皮的椎間板再生治療(PDR法)などがあります。
どの治療方法も低侵襲な治療であることに変わりありませんが、L‘DISQの方がより効果が現れるまでの期間が短い、椎間板へのダメージが抑えられるといったメリットがあります。
また、入院も不要で日帰りで治療を行うことが可能です。
経皮的椎間板摘出術 (L‘DISQ) |
椎間板内酵素注入療法 (ヘルニコア) |
|
---|---|---|
入院 | 不要 | 必要(半日~2日) |
回数制限 | 保険診療の場合は1椎間あたり2回まで | アレルギーの予防のため1回のみ |
効果の発現 | 1~2ヶ月 | 3ヶ月 |
傷跡 | 針穴(約2mm) | 針穴 |
椎間板変性 | 不明 | 1年後に約60%がGrade 1以上進行 |
保険適用 | あり | あり |
以下のような方は、
本治療の適応外となる場合があります。
- 心臓ペースメーカーやその他の埋め込み型電子機器がある方
- 妊娠中または授乳中の方
- 変性が進行し、椎間板の高さが正常の50%未満にまで低下している場合
- 繊維輪が完全に損傷している椎間板
- 隣接する椎間板に金属製の固定具が挿入されている場合
- 椎間板の一部が飛び出し、遊離している繊維輪ヘルニア(脱出型)の場合
- 脊椎に感染症や重度の変形性関節症がある方
- 脊椎すべり症や脊柱管狭窄症、半椎、重度の先天性異常など骨の変形が認められる方
- 糖尿病が悪い方、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方
以下は、治療前後の注意事項
およびお願い
- 妊娠の可能性がある方は、必ず事前にご相談ください。
- 検査当日は、午前の検査の場合は朝食を、午後の検査の場合は昼食をお控えください。
- 手術前には、抗生剤の点滴を行います。
- 治療中に痛みなどを感じた場合は、どこに・どのような痛みがあるかを速やかにお伝えください。
- 術後には治療効果についてお伺いしますので、術前と術後の痛みの違いを覚えておいてください。
術後1~2週間の注意点
- 術後3日間は座った姿勢や歩行をなるべく控え、安静を保ってください。
- 自転車やバイクの使用は避けてください。
- 腰を曲げたり、ひねったりしないように注意してください。
- 5kg以上の重い物は持ち上げないでください。
- 不快感や痛みがある場合は、必ずお知らせください。
術後3~6週間の注意点
- 飛行機や自動車、電車などによる長時間の移動は控えてください。
- 自転車やバイクの使用は、引き続き控えるようにしてください。
- 腰に負担をかけるような動作(重い物を持つ、腰を曲げる・ひねるなど)は極力避けてください。
- 状況に応じてリハビリをする場合があります。開始のタイミングについては医師にご相談ください。
治療費用
3割負担 | |
---|---|
経皮的椎間板摘出術(L‘DISQ) | 約46,000円 |
※別途、初診料・再診料・薬剤料・検査料が発生します。
よくある質問
腰椎椎間板ヘルニアには、どのような症状がありますか?
腰痛、太もも・膝・足の痛みやしびれなどが挙げられます。これらの症状は、背中を丸めた時に強くなります。重症例では痛み・しびれがより強くなり、脚の麻痺や感覚障害、排尿・排便障害などが起こることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアであれば、すべてL‘DISQで治療できますか?
重度の腰椎椎間板ヘルニア、極端な腰の変形を伴う症例など、適応外となるケースもあります。適応の判断には診察・検査が必要ですので、まずはお気軽にご相談ください。 その他、妊娠中の方は、L‘DISQによる治療を受けることができません。
再発の心配はありますか?
新しい治療であるため、長期的な再発のリスクについては分かっていません。ただ現時点では、ほとんど再発の心配はないものとされています。
効果は、どれくらいで実感できますか?
個人差はありますが、1~2ヶ月をかけて徐々に軽減します。ただ、中には1回で十分な効果が得られないケースもあり、その場合は2回目の治療を検討します。また、反対に1回目の治療の直後から効果をご実感されるという方もいらっしゃいます。
仕事はいつから復帰できますか?
治療後3日間はご自宅で安静にしていただき、その翌日からデスクワーク等の負担の少ない仕事への復帰が可能です。お身体を使ったお仕事・運動については、その強度や内容にもよりますので、個別にお伝えさせていただきます。ただ、腰への負担は腰椎椎間板ヘルニアの重大なリスク因子ですので、避けるに越したことはありません。